サンダイ村に住むクワイさん(左写真)には9人の子供がいますが、現在は長男の家族と一緒に暮らしています。右写真の男性が、クワイさんの長男で、彼には8人の子供がいます。
写真右にある高床式の家屋が主な住居で、左手前のアシで葺いた小屋が炊事場になっていました。その奥の小屋は、穀物倉庫のようです。クワイさんの家の庭には、ここへ移ってきてから植えた木々が育っていました。
木陰に置かれたイスでくつろいでいるのは、クワイさんの家族です。網を修理しているのは、クワイさんの長男です。井戸のそばにも、魚を獲る籠が掛けてあったので、近くで漁もできるようです。
2人の少女がオートバイで戻ってきました。制服(スカート)を着た後ろの少女を、学校まで迎えに行ってきたようです(左写真)。彼女たちはクワイさんの孫です。家の前に開いた店でパームシュガーなどを売っているのは、クワイさんの孫とその子供(ひ孫)です。
クワイさんの庭にはミルクフルーツの木もありました。下の方にまだ青い実しかないのを見ると、クワイさんの息子さんは、いとも簡単にその木に登りはじめました。
そして、木の上の方で熟したミルクフルーツをとってきてくれました。
リンゴのようなミルクフルーツは、割って食べるとミルクの味がしました。
州知事の指示で道路沿いに転居してきたクワイさんの家族は、サンダイ村で生まれたひ孫も含めた大家族で暮らしていました。この村で生まれた男の子のふるさとはサンダイ村ですが、彼らを見守る家族たちにとっても、サンダイ村がふるさとになっていくのでしょう。
写真/文 山本質素・中島とみ子