赤土で覆われたアディゾンの工房前の道路から、東に分かれる道に入りました。ゴックトライ村を東西に走るこの道の両側には、村人の暮す屋敷が並び、その後ろには田が広がっていました。村長さんの家は、道路から左写真の横道を入った奥にありました。私たちが案内された建物は板張りの高床式家屋で、1階部分の入口付近にはタイルが敷かれていました。この場所で、村長としての仕事が行われているようでした。
村長さんの屋敷の入り口で、子どもたちが遊んでいるのを見かけました。子どもたちは、2人1組に分かれてビー玉あてのゲームをしていました。写真右の少女の前に、ビー玉が並べられています。彼女が、レフリーの役目なのでしょう。
庭の奥に、数棟の家屋が建っているのが見えました。そして、壁面をヤシの葉で葺いた家屋の前で、2人の女性たちが小さな子どもたちの子守りをしていました。村長さんの屋敷内には、数組の家族が一緒に住んでいるようでした。
村長のスーソカンさんにお話を聞きました(左写真)。村長の役職は5年1期で、スーソカンさんは4期目。無報酬の名誉職ですが、村の代表として、調査や支援等への協力を行っているとのことでした。スーソカンさんの家では、村内にある1ヘクタールほどの農地でコメを作っていますが、村外のトンレサップにも農地を持っているそうです。タイルで張られた入口の奥には木製のドアが2つあり、1階部分も住居として使われているようでした(右写真)。
鈴の音がしたので見ると、少年が2頭の牛を連れて田んぼの方から帰ってきたところでした。牛は鈴の付いた首輪をしていました。
村長さんの家を後にして、村の道を東方向に5分ほどいくと、道沿いに食堂がありました(左写真)。その先には、集会所の建物も見えました(右写真)。
集会所先の、道沿いの田んぼの中に樹木の苗が並んで植えられていました。その後ろには、国道6号線沿いの家々が見えています(左写真)。ゴックトライの村内を東へ進むと、水路に架かる橋がありました。橋のところで、自転車に乗った少女とすれ違いました。少女の家はゴックトライ村なのかもしれません。橋の先に、国道6号線が通っています(右写真)。
この橋から東へ4㎞ほどで、国道6号線は、大きなホテルなどが立ち並ぶシェムリアップの市街地へと入ります。国道6号線の南に位置し、アプサラゾーン2に指定されているゴックトライ村にも、そう遠くない将来、観光開発の波が押し寄せてくるのでしょう。
写真/文 山本質素、中島とみ子